ISIKYU Story

上丹生「木彫の里」から

滋賀県北部の町、米原の山間部。

霊仙山の麓、丹生川の流れに沿ってひっそりとたたずむ村、上丹生(かみにゅう)。

ISIKYUのストーリーは、ここ上丹生にて百年以上も前から仏壇の製造販売を行う石久仏壇店ではじまりました。

この地域は山の谷間に位置することから、平地が少なく日照時間も短いため農地には適しませんでした。その代わり、豊かで良質な木材資源を活かした産業が古くから発展しました。

中でも江戸時代後期から始まった仏壇づくりは仏壇需要の高まりとともに盛んになりました。仏壇に彫刻をほどこす木彫師を中心に様々な職人が集まり、村の一大産業として発展。後に上丹生は「木彫の里」としてその名を知られるようになりました。

仏壇づくりには7つの工程が必要となります。

仏壇の本体をつくる木地師、屋根や宮殿部分をつくる宮殿師、図柄に合わせて彫り上げる彫刻師、様々な装飾金具をつくる錺 (かざり) 金具師、漆塗りをほどこす塗り師、多様な技法で絵柄をつくる蒔絵師、そして、金箔をほどこす箔押師と、合計7つの職人技により仏壇は作られています。

石久仏壇は、もともと木地師を生業としていたため、材料となる木に対する想いには特別なものがあります。

仏壇は通常、50年、100年と受け継がれて行くもの。

使用する木材は厳選し、漆塗り技術と合わせて年月が経ってもひずみが出ない工夫や技術をほどこしています。

代表の清水喜代美は、木地師としての技術を高く評価され、平成22年には滋賀県「おうみの名工」として表彰されました。

シンプルな形状や構造でも、随所に光る伝統と熟練の技。

使う人の事を第一に、いつまでも長く愛着をもってもらえる商品をこれからも作っていきます。